ページトップへ

天才写真家アラーキー「ザ・借家」の幸福を撮る


写真家アラーキーは、なぜ「ザ借家」を撮ったか?

オレも、借家で育ったんだよね。
ちょうどこんな一階と二階で一軒になってる長屋。

ウチは下駄屋だったから、
壁にでっかい下駄の看板がついてて
良く目立ったの。

ガキ大将、いたねぇ。
世話好きのおばちゃん、いたよねぇ。
カラコロ下駄鳴らして先頭から帰ってくると
縁台将棋やってるおじさんがヨッ!てなもんで。

隣近所も犬も猫も
みんなでワイワイ暮らしてた。

東京にも、昔はいっぱいあったよ。
幸福な路地。幸福な借家。

いまカイハツやらセイビやらで
どんどん消えちゃってる。

さみしいね。許せないね。
ダメなんだよ。

タテモノだけあってもそこに住んでる人が
しあわせでなきゃ
しあわせな写真は撮れないの

「幸福写真」。
これ、今のオレのテーマ。

―荒木 経惟