ランキングで見る愛知県の地価最新動向(2025年9月発表)

2025年9月16日、最新の基準地価が発表されました。愛知県では、一部地域で地価の力強い上昇が続く一方、エリアによる動向の差も見られます。

土地の価値が変動する今、所有する土地の評価額を正しく把握し、将来を見据えた対策を考えることが非常に重要です。特に、地価の上昇は固定資産税相続税の負担増に直結する可能性があります。

このコラムでは、最新の基準地価の動向を分かりやすく解説するとともに、その変動を踏まえご自身の土地の価値を知り、最適な活用法を見つけるきっかけとなれば幸いです。


そもそも「基準地価」とは?4つの地価の違い

土地の価格には、基準地価の他に「公示地価」「相続税路線価」「固定資産税評価額」など、いくつかの指標があります。それぞれの特徴を理解することが、第一歩です。


【愛知県】2025年基準地価の動向

2025年9月に発表された最新データから、全国と愛知県の動向を見ていきます。

全体的な傾向

【全国平均】

○ 全用途平均・住宅地・商業地のいずれも4年連続で上昇し、上昇幅が拡大しました。

【三大都市圏】

○ 全用途平均・住宅地・商業地のいずれも上昇が継続し、上昇幅が拡大しました。

  • 東京圏及び大阪圏では、上昇幅の拡大傾向が継続しているが、名古屋圏では上昇幅がやや縮小しました。

【地方圏】

○ 全用途平均・住宅地・商業地のいずれも3年連続で上昇しました。

  • 地方四市(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)では、2年連続で上昇幅がやや縮小しましたが、その他の地域では住宅地が平成8年から29年続いた下落から横ばいに転じました。

【愛知県】

○ 住宅地において、全国順位7位、変動率は1.6%となっており、5年連続で上昇しています。

  • 前年度住宅地では、全国順位6位、変動率が2.3%でした。順位が下がり、上昇幅もやや縮小しています。

【愛知県全市区町村】住宅地 平均変動率ランキング(2025年)

最新データに基づき、愛知県内全市区町村の住宅地平均変動率をまとめました。6位以下はクリックで表示できます。

令和7年
順位
市区町村名 令和7年
変動率
令和6年
順位
令和6年
変動率
1位( 大府市 5.3% 1位 8.5%
2位( 名古屋市中村区 5.2% 2位 6.3%
2位( 名古屋市中区 5.2% 4位 5.7%
2位( 長久手市 5.2% 2位 6.3%
5位( 名古屋市千種区 3.9% 3位 7.7%
▼ 6位~10位を表示する
6位( 名古屋市緑区 3.9% 12位 4.5%
8位( 日進市 3.7% 9位 5.2%
9位( 名古屋市東区 3.3% 12位 4.5%
9位( 阿久比町 3.3% 22位 3.4%
▼ 11位~20位を表示する
11位( 名古屋市昭和区 3.2% 28位 2.4%
11位( 刈谷市 3.2% 10位 5.0%
11位( 清須市 3.2% 23位 3.9%
14位( 名古屋市天白区 3.1% 15位 4.4%
15位( 名古屋市瑞穂区 3.0% 20位 3.7%
15位( 名古屋市守山区 3.0% 15位 4.4%
15位( 名古屋市名東区 3.0% 19位 3.8%
18位( 一宮市 2.8% 24位 3.7%
18位( 知立市 2.8% 7位 4.3%
18位( 豊明市 2.8% 17位 4.2%
▼ 21位~30位を表示する
21位( 春日井市 2.7% 26位 3.1%
22位( 名古屋市南区 2.6% 5位 6.3%
22位( 常滑市 2.6% 44位 1.0%
24位( 半田市 2.5% 40位 1.3%
24位( みよし市 2.5% 24位 3.2%
26位( 名古屋市西区 2.4% 29位 3.0%
26位( 安城市 2.4% 12位 4.5%
28位( 高浜市 2.2% 21位 3.5%
29位( 東郷町 2.1% 7位 4.3%
30位( 東浦町 2.0% 11位 4.7%
▼ 31位~40位を表示する
31位( 稲沢市 1.9% 29位 2.2%
32位( 名古屋市中川区 1.7% 29位 2.1%
33位( 岡崎市 1.5% 27位 2.5%
34位( 尾張旭市 1.4% 34位 1.9%
34位( 北名古屋市 1.4% 34位 1.9%
36位( あま市 1.3% 47位 0.5%
37位( 名古屋市北区 1.1% 34位 1.9%
37位( 瀬戸市 1.1% 41位 1.2%
37位( 小牧市 1.1% 44位 1.0%
37位( 東海市 1.1% 32位 2.1%
37位( 豊田市 1.1% 33位 2.0%
▼ 41位以下を表示する
42位( 江南市 1.0% 41位 1.2%
42位( 岩倉市 1.0% 37位 1.8%
44位( 扶桑町 0.9% 41位 1.2%
45位( 大口町 0.8% 45位 0.9%
46位( 名古屋市港区 0.7% 39位 1.4%
47位( 知多市 0.6% 48位 0.4%
48位( 幸田町 0.5% 47位 0.5%
49位( 豊橋市 0.4% 52位 0.5%
49位( 大治町 0.4% 41位 1.2%
51位( 碧南市 0.3% 49位 0.7%
52位( 犬山市 0.2% 44位 1.0%
52位( 弥富市 0.2% 53位 0.4%
52位( 武豊町 0.2% 55位 0.2%
55位( 蟹江町 0.1% 55位 0.2%
56位( 豊川市 0.0% 49位 0.7%
57位( 津島市 -0.1% 58位 0.0%
57位( 飛島村 -0.1% 60位 -0.1%
59位( 蒲郡市 -0.2% 55位 0.2%
60位( 愛西市 -0.4% 61位 -0.3%
60位( 美浜町 -0.4% 60位 -0.1%
62位( 田原市 -1.2% 66位 -0.5%
63位( 西尾市 -1.3% 46位 0.8%
65位( 新城市 -1.6% 65位 -0.7%
65位( 設楽町 -1.6% 67位 -1.3%
67位( 南知多町 -1.9% 68位 -1.9%
68位( 豊根村 -2.0% 68位 -1.9%
69位( 東栄町 -2.5% 67位 -1.3%

地価上昇が「相続税」に与える影響

基準地価や公示地価が上昇すると、それに連動して相続税路線価も上昇する傾向にあります。路線価が上がると、土地の相続税評価額が上がり、結果として相続税の負担が大幅に増える可能性があります。

「まだ先のこと」と考えていると、いざ相続が発生した際に、想定外の多額の納税資金が必要になり、慌てて土地を売却せざるを得ないといったケースも少なくありません。

特に、地価が上昇しているエリアに土地をお持ちの方は、ご自身の土地の現在の評価額と、将来の相続税がどのくらいになるのかを一度試算し、早期に対策を検討することが重要です。


今こそ考えるべき「土地活用」という選択肢

地価の動向を踏まえ、何もしないでいることは、固定資産税の負担増や将来の相続リスクを高めることにも繋がります。そこで考えたいのが「土地活用」です。

土地活用は、単に収益を得るだけでなく、優れた相続税対策にもなります。

なぜ土地活用が相続税対策になるのか?

  1. 評価額の引き下げ: 更地に賃貸住宅などを建てると、その土地は「貸家建付地」となり、評価額が約2割軽減されます。
  2. 小規模宅地等の特例: 賃貸経営をしている土地などについては、「小規模宅地等の特例」を適用できる場合があります。この特例を使えば、土地の評価額を最大で80%も減額することが可能です。
  3. 債務控除: アパートローンなどの借入金は、相続財産からマイナスすることができる(債務控除)ため、課税対象となる遺産総額を圧縮できます。

まずは第一歩を踏出しましょう

今回の基準地価発表を機に、ご自身の土地の価値と将来について考えてみませんか?

「うちの土地の相続税はいくらになるんだろう?」
「どんな土地活用の方法が合っているのか知りたい」

そんな疑問や不安をお持ちの方は、ぜひ一度、ご相談ください。
現状を正しく把握することが、最適な未来への第一歩です。

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